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ある小規模校の「積み重ね」の一事例【後編】

はじめに、台風10号にかかる被害にあわれた皆さまにこころよりお見舞い申し上げます。

まだまだ暑い日が続きます。
水分補給等、体調管理を十分に行ってくださいませ。

そして、少しでも早く落ち着いた日常が戻りますよう願っています。

※写真は校舎の窓から眺めた夕映えの磐梯山。



磐梯山のふもとで学ぶということ


猪苗代高校における「防災」学習としては、例年ですと1学年の磐梯山噴火記念館への訪問。

今年度については、2年ぶりの「五色沼周辺」散策。
しかも山岳会のガイドさんが帯同してくださっての贅沢なフィールドワーク。

5月に実施した五色沼散策。
磐梯山噴火後の植林に尽力された遠藤現夢さんのお墓

7月には「東日本大震災・原子力災害伝承館」への3年振りの訪問も実現しました。

1年生たちが訪問した東日本大震災・原子力災害伝承館。
足を運んでこそ知りうる「学び」


新学期に入り、9月中旬には全校生参加による「磐梯山登山」も予定されています。
会津磐梯山は言わずと知れた「活火山」。

豊かな自然に抱かれながら学びを進める猪苗代高校として、「防災」について深く学ぶことは必須であろうと考えます。


R6.6.7 防災・減災合宿 2日目① ラジオ体操と贅沢な眺望


6月に行われました防災・減災合宿。
その2日目の様子。

磐梯青少年交流の家と言えば、定番の「朝のつどい」。
夕方には「夕べのつどい」があります。

他校の小・中学生たちと一緒にラジオ体操から、一日の活動が始まります。 

磐梯山を背中に背負い、目の前に広がるのは美しい猪苗代湖。
なかなか贅沢な景色だなと改めて思います。

磐梯青少年交流の家からの眺望。
ラジオ体操を本気でやったのはいつ以来でしょう。


R6.6.7 防災・減災合宿 2日目② 焚きつけ体験からよもやの……


学年をまたいでの班編成。

野外炊飯における「焚き付け」の方法について確認します。

着火しやすいサイズに薪をカットします。

なかなか焚き火をするような機会も少ないこの時代。
生徒たちも苦戦をしながら、何度も火をおこします。

点いては消えて。点いては消えての繰り返しです。

重ね方に問題があったのか。火を点けるってこんなに大変なんですね
先輩に見守られながら、1年生もチャレンジ

そして、やっと調理に入れたのもつかの間。
近くで「熊」出没のアナウンスが……。 


R6.6.7 防災・減災合宿 2日目③ これも「避難訓練」?


年々増えるのは「熊出没」のニュース。
熊が増えたのか、皆が携帯電話を持つようになり、通報する機会が増えたのか。
確かなことは分かりませんが、「野外炊飯」実践中の突然の知らせにみな息を飲みます。

異学年による野外炊飯。
磐梯山のふもと。そりゃあ熊も獣もいます。

生徒たちは、磐梯青少年交流の家の職員の皆さんの迅速な対応もあり、無事に屋内に避難。

出没地点はすぐ近くではありませんでしたが、管理把握できるエリアにて熊らしきものが確認されたことによる、念のための対応でした。

各班の決め方で役割分担。
先輩、後輩のやりとりから、必要な「社会性」が育まれます。

自然災害に対する「防災」とは少しニュアンスが異なりますが、連日「熊出没」がニュースになる中、集団で安全に対処できたことは、一つ自信になった気がします。 


R6.6.7 防災・減災合宿 2日目④ ロープワーク演習・応用編


昼食後、再び体育館に移動しての活動。

自衛隊の皆さんに主導していただいての「ロープワーク演習・応用編」。
昨日学んだロープワークの基本を活用し、グループごとに活動します。

しっかり覚えているでしょうか。
グループ対抗。昨日の「学び」を翌日アウトプットさせます。

各グループのはるか向こうには、川で溺れたか、崖で足をくじいたか、身動きを取れずにいる自衛隊の皆さん。
そんな皆さんを救出するため、短いいくつものロープを活用します。

どのように結わえば頑丈につながるのだろう。

どんな工夫が必要でしょうか。
さあ。皆で協力しながら、自衛隊の皆さんをうまく助け出せたかな? 

届いたロープ。みなで一斉に救い出します。


R6.6.7 防災・減災合宿 2日目⑤ 発表して終わりではなく。


振り返りの時間。

二日間で得た新たな「学び」。
加えて、新たな「絆」も得られたことでしょう。
互いの発言に拍手が起こります。

生徒たちの主体的な活動の様子に、足を運んでくださった皆さんからたくさんのお褒めの言葉をいただきました。

思ったことを言語化すること。
そして、それを皆に届けること。

各団体の皆さまに改めて深く感謝し、この「学び」が生徒たちの心に確かに積み重なっていくことを強く願います。

合宿は、多くの気づきをこちらに投げかけながら、無事に終わりを迎えました。 

小規模校だからできないことと、できること。