ある小規模校の「積み重ね」の一事例【前編】
何かが起きてからではなく、何気ない日常において、常に「防災」「減災」を意識し続けることは簡単なことではありません。
だからこそ、それが同じような繰り返しであっても、「学び」を『積み重ねること』がとてもとても大切であると考えます。
そんなわけで、今回の記事は猪苗代高校における防災・減災に関する学びの「積み重ね」の一事例になります。
6月頭、二日間にわたって実施されました、全校生参加の「防災・減災合宿」を前編・後編に分けてまとめてあります。
まずは前編。
ぜひごゆっくりとご覧ください。
R6.6.6 防災・減災合宿 1日目①
今年度は「宿泊」を伴っての全校生による防災合宿。
猪苗代町にある国立磐梯青少年交流の家にて、無事実施されました。
初日のスタートでは、福島県立博物館の筑波先生による震災時に役立つ学び。
土砂災害警戒区域以外であっても、孤立し得る集落があること。
どこに居ようと、その意識を持つことが大切だと改めて学ぶことができました。
R6.6.6 防災・減災合宿 1日目② 繰り返し伝え続けること
昨年度に引き続いての「ローリングストック」や「やさしいにほんご」についての講話。
年に一回、これらを意識できることで、きっと生徒の心の深いところに根付くものもあるはず。
大切だったら何度だって繰り返して受けとめるべき。
重ねてこそ花開く「学び」もあるのだと認識することができます。
R6.6.6 防災・減災合宿 1日目③ 見て学ぶ。
避難所運営ゲーム。
通称HUG訓練。
今年度は、自衛隊会津若松出張所の皆さまによるデモンストレーションからスタートしました。
いきなり「やってみよう」だった昨年度までの反省から、まずは自衛隊さんの手本を「見て」学びます。
災害時・避難所において必要とされる「役割分担」や「判断することの大切さ」が目の前のやり取りの中に立ち現れます。
生徒たちも真剣にその様子を眺めます。
R6.6.6 防災・減災合宿 1日目④ 異学年だからこその学び
昼食を挟み、今度は生徒たち自身によるHUG訓練。
今年度は全プログラム、異学年による班編成。
災害時、同じ年齢の者同士だけで活動するなんてことは現実的でありませんよね。
避難所においても向き合わなくてならないであろう負荷を、再現できる限り、講義室内に作り上げます。
3年生が全体を把握し、2年生がリーダーシップを発揮して、1年生もしっかりと自身の考えを主張する。
小規模校だからこそ、全校生徒での参加が可能になったこと。
そして、異学年での班編制がもたらすポジティブな学びの数々。
多少無理をしながらも、この形で実施できてよかった。
各学年素晴らしい動きだったと思います。
R6.6.6 防災・減災合宿 1日目⑤ 日常でも活かすために。
続いては、場所を体育館に移しての「ロープワークの基本」実習。
一年振りにロープを手にする上級生たち。
やはり忘れてしまうよね。
自衛隊の皆さんの丁寧な指導もあり、皆うまく扱えるようになった様子。
2日目に予定されている、ロープワーク応用編が楽しみです。
R6.6.6 防災・減災合宿 1日目⑥ 成功だけが目的ではない。
昨年度以上のクオリティを見せてくれたのが「段ボールベッド」作り。
アイディアを出し合って、失敗を重ねる。
その失敗の重なりを越えて完成へと歩みを進める。
生徒たちにとっては、まさに「協働的姿勢」の見せどころ。
大人たちも驚きの取り組みでした。
R6.6.6 防災・減災合宿 1日目⑦ 大人たちも本気です。
実はじつは……、
「HUG訓練」も「段ボールベッド作り」も、負けじと教員チームも頑張っていました。
こういうときに、遠慮することなく本気になれるのが「猪苗代高校教員チーム」の素晴らしい?一面。
充実した合宿初日となりました。 【2日目に続く】
#大人たちも本気です